1月 30 2015

トルコの連立政権の決裂 ~ピンチかチャンスか~

Published by at 12:00 AM under トルコリラ

トルコは多民族、多宗教、多言語の複雑な歴史的文化的背景を持った国です。
多数派を占めるのはイスラム教徒であり一般にイスラム国家と理解されています。
そのトルコは今急速に西欧化による世俗化政策を推し進めています。
グローバル化の中西欧近代化によって国民国家として統一することが急務だからです。

トルコは現在のところ線維・被服以外目立った輸出品も無く慢性的な貿易赤字に悩まされています。
観光業収入と出稼ぎ収入で何とか経常収支のバランスを保っている状況です。

しかし今トルコは輸出国への転換のチャンスを狙っています。
第一次大戦に敗戦した際締結された「資源開発をしない」という条約が2023年に失効するからです。
現在、軽工業中心の産業構造ですが、現在進められているエネルギー資源開発が円滑に進めば重化学工業を基盤とした産業構造へ変革するための大きなチャンスとなります。
単に資源輸出国になるだけでなく、重化学工業を背景に持った工業製品の輸出国とも成り得るからです。
すでにこのチャンスを逃すまいと世界の企業がトルコへの進出を決めています。
日本のトヨタやホンダもトルコへの参入を決定しました。

しかし、心配材料もあります。
先に言及したとおりトルコは多民族、多宗教国家で国民国家として政治的統一がとれず不安定要素を抱えています。
議会の多数派である世俗化に慎重な公正発展党と積極的な人民共和党の連立政権への協議は決裂に終わりました。
グローバリゼーションに沿う工業化に対する政治的なリーダーシップが十分確立されているとはいえません。
しかしながらトルコの資源開発と重工業化は日本のみでなく世界の企業にとって大きなビジネス・チャンスであることは間違いありません。

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